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難しい人。 [ライター仕事]

先ほど取材帰りに「インタビュー難しくなかったですか?」と聞かれました。

え。

難しそうに見えてましたか。
「やれやれ今日の人は難しかったなあ」とは、露とも思っていなかったんだけど、
わたしの聞き方がイケてなかったのかなあと反省しました。

このたびの取材相手(役者さん)はちょうど舞台稽古期間のまっただ中で、
役作りに模索されているため、出てくる言葉の種類がすくなかった。
そういうタイミングだったということ。

インタビューが難しい人、という感想は、この仕事をしているとままあります。

多くを語らない、極めて物静か、失礼な質問に不機嫌になる、など。
失礼な質問はダメでしょう。でも、どんな風に失礼なのかにはいろいろあって、
わたしもいつも緊張と反省を繰り返します。
インタビューに際してもっとも意識するのは「わたしの準備は足りているか?」
その人について、その作品について、脚本や演出家、共演者について、
毎回が初めてのものを扱うに等しい準備ですから、ワラワラのドキドキ。
すこしずつ蓄積できるものもあるけれど、そこにあぐらをかいては痛い目を見る。

お互いに仕事とはいえ、人間だから、バイオリズムや相性もある。
「あなたにそれを教えたくない」とか「知らないの?」とか言われたし、
撮影の角度の都合だったと思うけど、たまたまお相手より上座に座ったことで、
「失礼である!」とあとから叱られたこともあります。

えーん。

思い出しただけでメゲちゃう。

……うんにゃ、教えてもらったと受け取って肥やしにしないと。

反対に、リップサービスの素晴らしい方もあります。
現場では非常に盛り上がるけれど、あとで原稿にしようとしたら、
他紙と大差ない内容になって、「うーん」とうなることもしばしば。
とても生意気ですが、紋切り型の言葉が出始めたら要注意。
そこからどうツッコむか、自分の背負う媒体独自のものが拾えるか、
最高潮の緊張の中で賭けに出る!……これが、へたくそ!

とほほ。日々が精進ですわねえ。

インタビューで恐れられるのは、沈黙です。

たった、3秒、5秒。
インタビュー中の3秒5秒はとてつもなく長く、ひたひたと恐ろしい時間です。
あ、怒った? ……え、マズい? なにが怒らせた? みたいに追い詰められる。
でも、普段の自分の会話を考えても、5秒の沈黙なんてよくある。

待とう。

待ちたい。

お相手はきっと考えてくれている。

あれが正解だったかはわかりませんが、わたしが初めて沈黙に耐えたのは、
カセリョーさんでした。10秒ほどの沈黙ののちに言葉を出してくれた。
待ってよかったと思いました。ありがとうございましたと心から思った。

以来、沈黙をいかに心地よくするか? にココロを尽くすようになりました。
(お相手によって。しゃべることがないから単に黙るケースもあるので、
そういう場合は、素早く話題(質問)を提供すべし!きゃー!)

で、これって、芸能人・有名人ではない、一般の方々のインタビューでよく起きるんです。
取材され慣れていないからでしょう。
そんなとき、「インタビュー」ではなく「会話」であることを全面に出す。
話したくなる空気感づくりがとっても大切。

はー。何度やっても、毎回が初めて。

はー。

でもですね、わたし、難しい人、好きです。
想いを聞き取ろうと全身が耳になる。あ、なんかいまの言葉、本心みたい!とか、
あ、やっと目が合った!とか、男性の場合は一人称が変わる(僕が、一瞬、俺)とか。
わたしとお相手だけの蜜月の瞬間を夢見て・笑。

すこしずつ近づく。

もちろん。

イコール、上手にインタビュー出来てるとは言えないけれど・爆。
常に、緊張に火照った蒸気でめがねが曇るし、お相手にも気づかれてるし・苦笑。

1485845651589.jpg 
写真は今日とは違う日のです。!
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